お風呂の排水溝に水が溜まるというトラブルは、一度解消しても再発することが少なくありません。特に、同じような詰まりが頻繁に起こる場合、単なる一時的な汚れではなく、より深い原因が隠されている可能性があります。ここでは、繰り返す排水トラブルの事例を紐解き、その原因究明と根本的な対策について考察します。ある家庭では、月に一度は排水溝が詰まり、そのたびにパイプクリーナーを流してしのいでいました。しかし、すぐにまた水が溜まる状態に戻ってしまうとのことでした。詳しく調査すると、この家庭の排水溝は、ヘアキャッチャーの網目が非常に粗く、毎日大量の髪の毛が排水管の奥へと流れ込んでしまっていることが判明しました。さらに、入浴後にシャワーで排水溝周りを洗い流す習慣がなく、石鹸カスや皮脂が常に溜まりやすい状態でした。この事例では、日々の生活習慣と不適切なヘアキャッチャーが、繰り返し発生する詰まりの主な原因でした。対策として、目の細かいヘアキャッチャーに交換し、入浴後の軽い掃除を習慣化することで、排水トラブルは大幅に減少しました。別の事例では、築30年を超える古い集合住宅の一室で、頻繁に排水が滞り、時には逆流することもあるという深刻な問題が発生していました。このケースでは、家庭でできる範囲の清掃では全く改善せず、専門業者による調査が行われました。結果、排水管の内部に長年の使用による錆やスケールが厚く堆積し、排水管の内径が著しく狭まっていることが判明しました。さらに、排水管の勾配が一部で緩くなっており、構造的に汚れが溜まりやすい場所があったことも原因でした。このような場合は、高圧洗浄機による徹底的な清掃や、場合によっては排水管の一部交換など、専門業者による大規模な対処が必要となります。また、稀なケースですが、排水管の奥深くに異物が引っかかっていることが繰り返し詰まりの原因となることもあります。例えば、子供が誤って流してしまった小さなおもちゃや、何らかの理由で排水管に入り込んだ建材の破片などが、目に見えない場所で水の流れを妨げているのです。この場合、ワイヤーブラシや内視鏡カメラなどを用いて異物を特定し、物理的に除去する以外に解決策はありません。繰り返す排水トラブルを断ち切るためには、単に詰まりを解消するだけでなく、その根本的な原因を究明することが不可欠です。
繰り返す排水トラブルを断ち切るために事例と対策