新生活のスタートを切る引っ越し作業の中で、意外な盲点となるのが洗濯機の再設置です。引っ越し先でいざ洗濯を始めようとしたら、水が全く出ないというトラブルは頻繁に報告されます。ある事例では、新築マンションに入居したばかりのユーザーが、洗濯機のスタートボタンを押しても一滴も水が出ないと困り果てていました。業者が確認したところ、原因は単純なものでした。実は、新しい住居では水道の元栓が閉まっていることは確認済みだったものの、洗濯機専用の蛇口のハンドルが、デザイン性の高いおしゃれなタイプであったために、開閉の方向を勘違いしていたのです。さらに、最近の住宅に多い壁埋め込み型の水栓では、開閉の状態が視覚的に分かりにくく、開いていると思い込んでいたものが実は閉まっていたというケースが後を絶ちません。別の事例では、引っ越し業者が設置を行った際に、給水ホースを無理に折り曲げて壁との隙間に押し込んでしまったことが原因でした。洗濯機は脱水時に大きく揺れるため、その振動でホースがさらに圧迫され、完全に水路が塞がってしまったのです。これは単にホースを真っ直ぐに伸ばし、十分なスペースを確保することで解決しましたが、不適切な設置が機械に余計な負荷をかけていた一例です。また、古い賃貸物件から新しい物件へ移った際に起こりやすいのが、水圧の変化によるトラブルです。高台にある住宅や、集合住宅の上階などでは水圧が不足しがちで、洗濯機が「十分な水が供給されていない」と判断してエラー停止することがあります。この場合は、給水ホースのフィルターにわずかな汚れがあるだけでも致命的な影響を与えるため、徹底的な清掃が必要となります。さらに、引っ越しを機にドラム式から縦型、あるいはその逆へと買い替えた場合、以前の感覚で操作していると、初期設定の段階で給水設定が「風呂水利用」になっていたり、「予約運転」になっていたりと、単なる操作ミスで水が出ないと思い込んでしまうこともあります。引っ越しというイベントは、環境が劇的に変わるため、これまで当たり前に使えていたものが機能しなくなると、すぐに故障を疑ってしまいがちです。しかし、実際には接続の不備や設定の確認不足、あるいは新しい環境特有の水道事情が原因であることがほとんどです。新居で洗濯機を回す前には、必ず蛇口の種類を確認し、ホースに無理な力がかかっていないかを目視でチェックし、さらに試運転を行ってスムーズに水が供給されるかを確認することが、その後のトラブルを回避するための鉄則と言えるでしょう。
引っ越し後に多い洗濯機の給水エラー解決事例